カッピングプロトコル

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カッピングプロトコル:コーヒーを正しく評価するための国際基準

「カッピング」という言葉を聞いたことがありますか?コーヒー業界では、コーヒーの品質を評価するための重要な手法として広く知られています。しかし、「カッピングって難しそう…」「専門用語ばかりで何がなんだか…」と感じている方もいるかもしれません。ご安心ください!このページでは、コーヒーを正しく評価するための国際基準である「カッピングプロトコル」について、初心者の方にもわかりやすく解説します。

この記事を読めば、カッピングの基本的な流れから、評価のポイントまで、一通り理解できるようになります。さあ、コーヒーの世界をさらに深く探求してみましょう!

カッピングプロトコルとは?

カッピングプロトコルとは、簡単に言うと「コーヒーの品質を客観的に評価するための国際的なルール」のことです。SCAA(Specialty Coffee Association of America:米国スペシャルティコーヒー協会)やSCA(Specialty Coffee Association:スペシャルティコーヒー協会)といった団体が定めており、世界中のコーヒー業界で広く採用されています。

なぜ、このようなルールが必要なのでしょうか?それは、コーヒーの品質を評価する際に、人によって評価基準が異なってしまうと、正確な情報交換ができないからです。カッピングプロトコルを用いることで、誰が評価しても同じような結果が得られるように、客観性を担保することができます。

つまり、カッピングプロトコルは、コーヒーの品質を正確に伝え、より良いコーヒーを作るための共通言語なのです。

カッピングに必要な道具

カッピングを始める前に、必要な道具を揃えましょう。最初はすべて揃える必要はありません。少しずつ揃えていくのも良いでしょう。

  • カッピングボウル:通常、同じ形状・材質のものが複数必要です。
  • カッピングスプーン:浅くて丸い形状のスプーンを使います。
  • グラインダー:均一な粒度でコーヒー豆を挽けるものが必要です。
  • スケール:正確な量を量るために、0.1g単位で計測できるものが望ましいです。
  • タイマー:抽出時間や評価時間を正確に測ります。
  • ケトル:温度管理ができるものが理想的です。
  • お湯:新鮮で不純物の少ない水を使用します。
  • スピットン:テイスティングしたコーヒーを吐き出すための容器です。
  • 評価シート:カッピングの評価項目を記録するためのシートです。(後述)
  • カップ:口直し用の水やクラッカーなどを入れるためのものです。
  • 電卓/スマートフォン: 最終スコアを算出する際に使用します。

カッピングの手順:ステップバイステップ

それでは、カッピングプロトコルの具体的な手順を見ていきましょう。ここでは、SCAのカッピングプロトコルを参考に、基本的な流れをわかりやすく解説します。

ステップ1:準備

まず、カッピングに必要な道具を揃え、作業スペースを清潔に保ちます。カッピングボウルは、評価するコーヒーの種類ごとに用意し、それぞれに番号を振っておくと良いでしょう。

ステップ2:焙煎

カッピングで使用するコーヒー豆は、焙煎後24時間以上経過し、8日以内のものが推奨されます。焙煎度は、通常、中煎り(シティロースト)程度が用いられます。

ステップ3:粉砕

カッピング直前に、コーヒー豆を粗挽きにします。粒度は、フレンチプレスよりも少し細かい程度が目安です。粉砕したコーヒーは、すぐにカッピングボウルに入れます。

ステップ4:アロマ(Dry Fragrance)の評価

粉砕したコーヒーの香りを評価します。ボウルに鼻を近づけ、深呼吸をするように香りを嗅ぎ取ります。どのような香りがするか、感じたことをメモしておきましょう。例えば、「チョコレートのような香り」「フローラルのような香り」「スパイシーな香り」など、具体的に表現してみましょう。

ステップ5:お湯を注ぐ

粉砕したコーヒーに、沸騰直後のお湯を注ぎます。お湯の温度は、92~96℃が推奨されます。お湯を注ぐ際は、コーヒー粉全体が均一に湿るように、優しく注ぎましょう。

ステップ6:クラスト(Crust)の評価

お湯を注いだ直後にできる、コーヒー粉の層を「クラスト」と呼びます。クラストをスプーンで軽く崩し、その際に立ち上る香りを評価します。粉の状態の時とは異なる香りを感じることがあります。この香りも、具体的にメモしておきましょう。

ステップ7:スカム(Scum)の除去

クラストを崩した後、表面に浮いてくる泡状のものを「スカム」と呼びます。スカムは、コーヒーの雑味の原因となるため、丁寧に取り除きます。スカムを取り除く際は、カッピングスプーンを使い、ボウルの縁に沿って優しくすくい上げます。

ステップ8:フレーバー(Flavor)の評価

スカムを取り除いた後、コーヒーをテイスティングします。カッピングスプーンでコーヒーを少量すくい、勢いよくすすり込みます。コーヒーが口全体に広がるように意識しましょう。舌全体で、甘味、酸味、苦味、コクなどを感じ取ります。フレーバーは、口に含んだ瞬間の印象だけでなく、後味も重要です。感じたことを具体的にメモしておきましょう。例えば、「ベリーのような風味」「ナッツのような風味」「キャラメルのような風味」など、表現してみましょう。

ステップ9:アシディティ(Acidity)の評価

アシディティとは、コーヒーの酸味のことです。しかし、ただ酸っぱいだけでなく、コーヒーの風味を際立たせる、明るく爽やかな酸味が良いとされています。レモンのような酸味、リンゴのような酸味など、酸の種類を意識して評価しましょう。

ステップ10:マウスフィール(Mouthfeel)の評価

マウスフィールとは、口に含んだ時の触感のことです。滑らかさ、重さ、粘性などを評価します。例えば、「シルキーな舌触り」「クリーミーな口当たり」「ざらつきがある」など、表現してみましょう。

ステップ11:ボディ(Body)の評価

ボディとは、コーヒーのコクのことです。口に含んだ時の重さや厚みを評価します。フルボディ、ミディアムボディ、ライトボディなど、段階的に評価することが一般的です。

ステップ12:バランス(Balance)の評価

バランスとは、フレーバー、アシディティ、ボディなどが、互いに調和しているかどうかを評価します。突出した要素がなく、全体的にまとまっている状態が良いとされています。

ステップ13:アフターテイスト(Aftertaste)の評価

アフターテイストとは、コーヒーを飲み込んだ後に残る風味のことです。心地よい余韻が長く続くものが良いとされています。例えば、「チョコレートのような甘さが残る」「スパイシーな風味が持続する」など、表現してみましょう。

ステップ14:総合評価(Overall)

最後に、これまでの評価を総合的に判断し、そのコーヒー全体の印象を評価します。個人的な好みや、そのコーヒーの持つ個性などを考慮して評価しましょう。

ステップ15:スコアリングと記録

それぞれの項目について、評価シートに点数を記入します。SCAの評価シートでは、各項目10点満点で評価し、最終的な合計点を算出します。点数だけでなく、コメントも詳細に記録しておくと、後から振り返る際に役立ちます。

カッピングの評価項目と評価シート

カッピングでは、様々な項目を評価します。ここでは、SCAの評価シートに記載されている主な評価項目について、詳しく解説します。

  • Fragrance/Aroma (香り):粉の状態と、お湯を注いだ後の香りを評価します。
  • Flavor (風味):口に含んだ時に感じる風味を評価します。
  • Aftertaste (後味):飲み込んだ後に残る風味を評価します。
  • Acidity (酸味):酸の種類、質、強度などを評価します。
  • Body (コク):口に含んだ時の重みや厚みを評価します。
  • Balance (バランス):各要素の調和を評価します。
  • Uniformity (均一性):複数のカップで、風味にばらつきがないかを評価します。
  • Clean Cup (清潔感):雑味や欠点がないかを評価します。
  • Sweetness (甘さ):甘さの質と強度を評価します。
  • Overall (総合評価):全体の印象を評価します。
  • Taints/Faults (欠点):欠点があれば記録します。
  • Total Score (合計点):各項目の点数を合計します。

SCAの評価シートは、SCAの公式サイトからダウンロードすることができます。また、様々な形式の評価シートがインターネット上で公開されていますので、自分に合ったものを使用すると良いでしょう。

カッピングの練習方法

カッピングは、練習すればするほど上達します。最初は難しく感じるかもしれませんが、諦めずに繰り返し行うことが大切です。ここでは、カッピングの練習方法について、いくつかご紹介します。

  • 様々な種類のコーヒーを試す:産地、焙煎度、精製方法などが異なるコーヒーを試すことで、風味の違いをより深く理解することができます。
  • 他の人と一緒にカッピングする:他の人と意見交換をすることで、自分の感覚を客観的に見つめ直すことができます。
  • 専門家のカッピングに参加する:コーヒーショップやロースターなどが主催するカッピングに参加することで、プロの評価を間近で学ぶことができます。
  • SCAJのセミナーを受講する:SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)が主催するセミナーでは、カッピングに関する専門的な知識を学ぶことができます。

まとめ:カッピングプロトコルを理解して、コーヒーの世界を広げよう!

カッピングプロトコルは、コーヒーの品質を客観的に評価するための、世界共通のルールです。最初は難しく感じるかもしれませんが、基本を理解し、練習を重ねることで、誰でもカッピングをできるようになります。

カッピングを通じて、コーヒーの風味をより深く理解し、自分好みのコーヒーを見つけてみましょう。そして、カッピングを通じて得られた知識を、コーヒー選びやコーヒーの楽しみ方に活かしてみてください。きっと、あなたのコーヒーライフは、より豊かなものになるはずです。

さあ、あなたもカッピングの世界へ飛び込んでみませんか?