このサイトのリンクの一部はスポンサーリンク(広告)です。
バッチカッピング
1. 全体像と押さえどころ
バッチカッピングとは、複数のコーヒーサンプルを同時に評価する手法です。大量のサンプルを効率的に評価したいというスペシャリティコーヒー業界のニーズから生まれたこの方法は、時間とコストを大幅に削減できるため、生産者、焙煎業者、バリスタなど、多くの関係者にとって重要なスキルとなっています。特に、生産ロットの品質管理や新しい豆の選定においては欠かせない技術と言えるでしょう。
しかし、初めてバッチカッピングに挑戦する際には、いくつかの注意点があります。個々のサンプルを丁寧に評価するカッピングとは異なり、複数サンプルを同時進行で処理するため、正確な評価を行うには、手順の標準化と、自身の感覚の研ぎ澄ましが不可欠です。特に、水の温度管理、粉砕度合いの均一性、抽出時間の厳守は、結果に大きな影響を与えます。これらの要素を正確にコントロールできないと、サンプル間の比較が困難になり、評価の精度が低下する可能性があります。 また、サンプル数の増加に伴い、嗅覚や味覚の疲労も蓄積されるため、休憩を挟むこと、適切な環境を整えることも重要です。
本記事では、バッチカッピングの全体像を理解した上で、手順、数値、コツを詳細に解説し、よくある疑問にも答えます。中級者の方でもスムーズに実践できるよう、具体的な数値データや、家庭でも再現可能な代替案なども提示します。 これを通して、読者の皆様が効率的に、そして正確にスペシャリティコーヒーを評価できるようになることを目指します。バッチカッピングをマスターすれば、コーヒーの品質管理や選定において、より高度な判断ができるようになるでしょう。
2. 手順・数値・コツ
バッチカッピングは、サンプル数や時間、使用する道具によって手順が多少異なりますが、基本的な流れは以下の通りです。ここでは、12サンプルを同時に評価する場合を例に、具体的な数値とコツを説明します。
2-1. 準備
* サンプル準備: 12種類のコーヒー豆をそれぞれ用意します。各サンプルは、焙煎度合い、産地、品種などが異なるように、比較しやすいように選定しましょう。豆の量は、カッピングボウル1杯あたり10gを目安にします。(合計120g)。
* 抽出器具:カッピングボウル12個、サーバー、計量スプーン、計量カップ、温度計、ドリップケトル、タイマー、ペーパーフィルターなどを準備します。
* お湯:92-96℃の熱湯を準備します。温度は、使用する豆や好みに合わせて微調整してください。
* 粉砕: コーヒー豆を均一な粗挽き(ペーパーフィルターを使用する場合)に挽きます。挽き目の粗さは、抽出時間やコーヒーの濃度に影響を与えるため、各サンプルで可能な限り同じ粒度に調整することが重要です。
* カッピングボウル:各ボウルにペーパーフィルターをセットし、挽いたコーヒー豆を10gずつ入れます。
| 項目 | 数値/目安 | コツ |
|---|---|---|
| サンプル数 | 12個 | 比較しやすいように、焙煎度合い、産地、品種などを考慮して選択 |
| 豆の量(1サンプル) | 10g | 正確な計量を行う |
| お湯の温度 | 92-96℃ | 温度計を使用し、正確に測る |
| お湯の量(1サンプル) | 150ml | コーヒーの濃度を調整する |
| 抽出時間 | 4分 | タイマーを使用し、厳守する |
| 挽き目 | 中粗挽き | 各サンプルで均一な粒度に調整する |
2-2. ブレンド
お湯を各ボウルに注ぎ、4分間抽出します。タイマーを使用し、抽出時間を正確に計測することが重要です。 この際、お湯を均一に注ぐことで、抽出のバラつきを最小限に抑えられます。また、お湯の温度が下がりすぎないように、保温性の高いケトルを使用すると良いでしょう。
2-3. 評価
抽出後、コーヒーの香りを評価します。次に、コーヒーを味わって、酸味、甘味、苦味、ボディなどを評価します。それぞれのサンプルの特性を比較しながら、香り、風味、アフターテイストなどを記録していきます。 スコアリングシートなどを利用すると、評価を体系的に行うことができ、比較が容易になります。
2-4. クレンジング
評価が終わった後、口の中をクレンジングするために、水を飲み、パンを少量食べます。これは、次のサンプルの評価に影響を与えないようにするためです。 また、使用したカッピングボウルや器具は、適切に洗浄し、乾燥させます。
2-5. 失敗例と対策
* 抽出時間と温度のずれ: 抽出時間や温度が一定でないと、抽出液の濃度が変わり、比較が難しくなります。タイマーと温度計を使用し、正確に管理することが重要です。
* 挽き目の不均一: 挽き目が不均一だと、抽出にムラが生じます。電動グラインダーを使用し、挽き目を均一にすることが重要です。
* サンプル間の温度差: サンプル間の温度差があると、評価に影響が出ます。保温性の高いケトルを使用し、温度を保つ工夫が必要です。
3. よくある疑問
Q1. 家庭でバッチカッピングを行うことは可能ですか?
A1. はい、可能です。ただし、一度に多くのサンプルを扱うには、場所と器具の準備が必要になります。少量のサンプルから始め、徐々に数を増やすことをお勧めします。家庭用のドリップケトルや計量カップ、タイマーなどを活用できます。
Q2. スコアリングシートは自作できますか?
A2. はい、自作可能です。評価項目(香り、酸味、甘味、苦味、ボディ、アフターテイストなど)を決め、それぞれの項目に点数をつける欄を作れば簡単に作成できます。インターネット上にも様々なテンプレートが公開されていますので、参考にすると良いでしょう。
Q3. サンプル数が少ない場合はどうすれば良いですか?
A3. サンプル数が少ない場合は、通常のコーヒーカッピングの手法で十分対応できます。バッチカッピングは、大量のサンプルを効率的に評価するための手法なので、サンプル数が少ない場合は、個々のサンプルに集中して丁寧に評価するのが良いでしょう。
カテゴリー:スペシャリティコーヒー

