品評会の審査基準

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品評会の審査基準

1. 全体像と押さえどころ

コーヒー品評会では、コーヒーの品質を客観的に評価するために、複数の審査員が共通の基準に基づいてスコアリングを行います。この基準は、単に「美味しいか」を判断するだけでなく、コーヒーの複雑な香味プロファイル、バランス、そして全体の印象を総合的に評価する複雑なシステムです。 中級者の方にとって、難しいのは「バランス」という概念の理解と、個々の要素をどのように総合的に評価するかにあります。単に酸味が強い、甘味が強いだけでは高評価には繋がりません。 各要素の調和、そして全体として持っている「完成度」が問われます。

結論として、高評価を得るコーヒーは、酸味、甘味、風味、アロマ、ボディといった要素が調和し、洗練された複雑さを持ち、後味まで楽しめるものです。 この調和が、審査において最も重要なポイントとなります。 単一の要素が突出しているだけでは、全体のバランスが崩れ、低い評価につながる可能性があります。例えば、非常に強い酸味を持つコーヒーは、酸味が好きな人にとっては魅力的かもしれませんが、バランスの観点からは減点対象となる可能性があります。逆に、甘味が強くても、それが単調で深みがない場合は、高評価は得られません。

本稿では、酸味、甘味、アロマ、ボディ、そしてそれらを統合する「バランス」という観点から、品評会における審査基準を詳細に解説します。 さらに、それぞれの要素を数値化し、具体的な評価方法を学ぶことで、より深くスペシャリティコーヒーの理解を深めることができるでしょう。 具体的な数値や配合比率を示すことで、より実践的な知識を得られるよう心がけています。 中級者の方がつまずきやすい「フレーバーホイールの活用」についても、後述します。

2. 手順・数値・コツ

コーヒーの品評会では、主にカッピングと呼ばれる方法を用いて評価を行います。カッピングは、コーヒーの香りと味を系統的に評価する専門的な手順です。以下、具体的な手順、数値、そしてコツを説明します。

2-1. コーヒー豆の準備

まず、新鮮なスペシャリティコーヒー豆を適切な粒度に挽きます。挽き目は、中挽きが一般的です。 粗すぎると抽出が不足し、細すぎると過抽出になり、本来の風味を損なう可能性があります。 ここでは、コーヒー豆の量を1杯あたり約10g、お湯の量を150mlとします。この比率は、あくまで目安であり、使用する豆の種類や好みに応じて調整することが重要です。

項目 目安 備考
豆の量 10g/杯 豆の種類や好みに応じて調整
お湯の量 150ml/杯 豆の量との比率を調整
湯温 90-96℃ 豆の種類によって最適な湯温は異なる
抽出時間 2分~2分30秒 豆の挽き目や抽出方法によって調整
挽き目 中挽き 豆の種類や抽出方法によって調整

2-2. 抽出と評価

適切な温度(90-96℃)のお湯を注ぎ、抽出します。抽出時間は、豆の種類や挽き目によって異なりますが、目安として2分~2分30秒です。 抽出が終わったら、カップの表面をスプーンで軽くかき混ぜて、コーヒーの香りを確認します。この段階で、アロマの強さ、種類を評価します。例えば、フローラルな香り、柑橘系の香り、チョコレートのような香りなど、具体的な表現を用いて記録します。

その後、一口目を飲んで、最初の印象を記録します。酸味、甘味、苦味、ボディの強さ、そしてそれらのバランスを総合的に評価します。 その後、数回に分けてコーヒーを飲みながら、口の中に残る風味の変化、余韻などを注意深く観察します。

2-3. 評価項目とスコアリング

評価項目は、大きく分けて以下の要素から構成されます。

2-3-1. アロマ (Aroma)

コーヒー豆から抽出される香り。複雑さ、強さ、質などを評価します。フレーバーホイールを参照しながら、具体的な香りを表現することが重要です。(例:柑橘系の香り、フローラルな香り、チョコレートのような香りなど)アロマは、コーヒーの第一印象を大きく左右する重要な要素です。

2-3-2. 酸味 (Acidity)

コーヒーの酸味。鋭さ、鮮やかさ、バランスなどを評価します。単なる酸っぱさではなく、心地よい酸味であるか、そして全体とのバランスが重要です。(例:クエン酸系の酸味、リンゴ酸系の酸味など)

2-3-3. 甘味 (Sweetness)

コーヒーの甘味。強さ、種類、持続時間などを評価します。(例:キャラメルのような甘味、蜂蜜のような甘味など)甘味は、コーヒーの豊かさを示す重要な指標です。バランスが重要です。

2-3-4. ボディ (Body)

コーヒーの口当たり。重厚さ、粘性、滑らかさなどを評価します。(例:フルボディ、ミディアムボディ、ライトボディなど)

2-3-5. 風味 (Flavor)

コーヒーの総合的な味覚。酸味、甘味、苦味、そしてそれら以外の複雑な風味を評価します。(例:ナッツのような風味、スパイスのような風味など)フレーバーホイールを効果的に活用しましょう。

2-3-6. アフターテイスト (Aftertaste)

コーヒーを飲み終えた後の余韻。持続時間、質、印象などを評価します。

2-3-7. バランス (Balance)

上記の全ての要素の調和。バランスが良いコーヒーは、各要素が互いに補完し合い、全体として調和のとれた印象を与えます。 これは、高評価を得る上で最も重要な要素の一つです。

2-4. よくある失敗と対処法

* 抽出が薄い:原因は挽き目が粗すぎる、抽出時間が短い、湯温が低いなど。対処法は挽き目を細かくする、抽出時間を長くする、湯温を上げるなど。 抽出量、抽出時間を調整し、適切な濃度になるように修正しましょう。
* 抽出が濃い:原因は挽き目が細すぎる、抽出時間が長い、湯温が高いなど。対処法は挽き目を粗くする、抽出時間を短くする、湯温を下げるなど。 抽出量、抽出時間を調整し、適切な濃度になるように修正しましょう。
* 酸味が強い:原因は豆の焙煎度が浅すぎる、抽出時間が長いなど。対処法は焙煎度を調整する、抽出時間を短くするなど。 豆の種類や焙煎度によって酸味は変化します。適切な豆を選ぶことも重要です。

3. よくある疑問

Q1. 家庭で品評会レベルの評価をすることは可能ですか?

A1. 完全な再現は難しいですが、適切な道具と手順を踏むことで、ある程度の評価は可能です。高品質な豆を選び、適切なグラインダー、ドリッパー、ケトルなどを用いて、正確な抽出を行うことが重要です。また、フレーバーホイールなどを参考に、風味を言葉で表現する練習も必要です。

Q2. フレーバーホイールはどのように使えば良いですか?

A2. フレーバーホイールは、コーヒーの風味を系統的に分類したものです。コーヒーを飲んだ際に感じる風味を、ホイール上の該当する言葉で表現することで、より客観的な評価を行うことができます。最初は難しいかもしれませんが、繰り返し使用することで、自然と使えるようになります。

Q3. 品評会で高得点を得るためにはどのような点に注意すれば良いですか?

A3. 高得点を得るためには、バランスの良いコーヒーを抽出することが最も重要です。 酸味、甘味、アロマ、ボディなどが調和し、複雑で奥深い風味を持つコーヒーを目指しましょう。新鮮な高品質な豆を使用し、適切な抽出方法をマスターすることも不可欠です。

カテゴリー:スペシャリティコーヒー