ラテアートとは

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ラテアートとは

1. 全体像と押さえどころ

ラテアートとは、エスプレッソの上に注いだスチームミルクの表面に、美しい模様を描く技術です。一見難しそうに思えますが、基本的な手順とコツさえ押さえれば、初心者でも驚くほど簡単に、そして楽しく、魅力的なラテアートに挑戦できます。

この章では、ラテアート全体像と、初心者の方が最初に理解しておくべき重要なポイントを解説します。結論から言うと、美しいラテアートのポイントは「ミルクの質感」「注ぎ方」「エスプレッソの抽出」の3点に集約されます。

なぜこの3点が重要なのか?それは、それぞれがラテアートの成功を大きく左右する要素だからです。

まず、「ミルクの質感」は、アートを描くための土台となります。適切にスチームしたミルクは、なめらかで光沢があり、模様を描きやすい適度な粘度を持っています。逆に、ミルクが泡立ちすぎたり、温度が低すぎたりすると、模様が崩れたり、鮮明に描けなかったりします。

次に「注ぎ方」は、ミルクをエスプレッソの上に滑らかに注ぎ、模様を描くための繊細なコントロールを必要とする工程です。一定の高さ、角度、スピードで注ぐことで、ミルクがエスプレッソの上に均一に広がり、模様が綺麗に仕上がります。

最後に「エスプレッソの抽出」は、ラテアートのベースとなるエスプレッソのクオリティに大きく依存します。適切な豆の挽き目、抽出時間、抽出温度で抽出されたエスプレッソは、クレマ(コーヒーの油分が表面に浮かんだ層)が美しく、しっかりとした層を形成し、ミルクとの美しいコントラストを生み出します。クレマの質が模様の鮮明さに直結するといっても過言ではありません。

初心者の方がつまずきやすいのは、ミルクのスチーマーの操作と、注ぎ方の繊細なコントロールです。ミルクが泡立ちすぎてしまったり、逆に泡が少なすぎたり、注ぐスピードが速すぎたりすると、理想的な模様を描くことが難しくなります。焦らず、練習を通して感覚を養っていくことが重要です。

2. 手順・数値・コツ

ラテアートを成功させるための手順を、具体的な数値やコツと共に解説します。以下は、基本的な「ハート」を描く手順です。他の模様も基本的なテクニックを習得すれば応用可能です。

2-1. エスプレッソの抽出

まず、美味しいエスプレッソを抽出する必要があります。

項目 数値/目安 コツ
豆の種類 アラビカ種など、エスプレッソに適した豆を選択 焙煎度合も重要です。浅煎りは酸味、深煎りは苦味が強まります。
挽き目 エスプレッソ用グラインダーで、極細挽き 挽き目が粗すぎると抽出が早く、細すぎると抽出が遅くなります。
豆の量 7〜9g(シングルショットの場合) 使用するマシンや好みに合わせて調整しましょう。
抽出時間 25〜30秒 抽出時間を計りながら、最適な時間を探しましょう。
抽出温度 88〜92℃ 温度計で管理しましょう。温度が高すぎると苦味が強くなり、低すぎると酸味が強くなります。
クレマ きめ細かく、1〜2cmの厚さ クレマの厚さはエスプレッソの品質の目安になります。

2-2. ミルクのスチーマー

次に、ミルクをスチーマーで温めます。適切なスチーマーの操作は、ラテアート成功の鍵です。

項目 数値/目安 コツ
ミルクの種類 低脂肪乳がおすすめ。脂肪分が少ないため、きめ細かい泡立ちが得られます。 全脂乳を使用する場合は、より注意深くスチーマーを操作する必要があります。
ミルクの温度 60〜65℃ 温度計で正確に測りましょう。高温すぎるとミルクが焦げ付きます。
ピッチャーの種類 容量600ml程度のミルクピッチャーがおすすめです。 注ぎやすさや、ミルクの旋回を考慮しましょう。
スチーマーの空気量 最初は空気を取り込み、泡立て、その後は蒸気で温めます。 適切な空気量で、きめ細かいマイクロフォームを生成します。
スチーマー時間 10~15秒(空気)、20~30秒(蒸気) ミルクの温度と泡立ち具合を確認しながら調整しましょう。
仕上がり 光沢があり、なめらかで、適度な粘度がある状態 ミルクをピッチャーから注いだ時に、模様が崩れない程度の粘度が理想的です。

2-3. 注ぎ方

スチームしたミルクをエスプレッソに注ぎます。この工程が最も重要で、繊細なコントロールが必要です。

  • ピッチャーをカップに近づけ、低く注ぎ始めます。 ミルクがカップの底に当たるように注意しましょう。
  • カップの中央に注ぎ、カップの底からミルクがゆっくりと上昇するようにします。 こうすることで、ミルクとエスプレッソが綺麗に混ざり合い、層が形成されます。
  • ミルクがカップの7分目くらいになったら、ピッチャーを少し持ち上げて、注ぎ口をカップの縁に近づけます。 この段階で、ハート模様を描くための注ぎ方をします。
  • ピッチャーをゆっくりと左右に動かしながら、ミルクをエスプレッソの上に注ぎます。 この時、注ぎ口をカップの縁に近づけることで、ミルクの流れをコントロールできます。
  • ハート模様を描くには、ミルクがエスプレッソの表面に到達する寸前に、ピッチャーをカップから離します。 ミルクの流れが止まることで、ハート模様が完成します。

2-4. よくある失敗と原因・対処法

失敗例 原因 対処法
ミルクが泡立ちすぎる スチーマーの空気量が多すぎる、スチーマー時間が長い 空気量を少なくし、スチーマー時間を短くする。 ミルクを冷やしてから再度スチームする。
ミルクが泡立ちにくい ミルクの温度が低い、スチーマーの温度が低い ミルクを十分に温める。スチーマーの温度を確認する。ミルクピッチャーを清潔に保つ。
模様が崩れる ミルクの粘度が低い、注ぎ方が雑、エスプレッソのクレマが薄い ミルクを適切にスチームする。注ぎ方を練習する。エスプレッソの抽出条件を見直す。
模様がぼやける 注ぎ方が遅い、ミルクの温度が低い、ピッチャーの角度が悪い 注ぎ方を速くする。ミルクの温度を確認する。ピッチャーの角度を調整する。
ハートができない ピッチャーの持ち上げと下げのタイミングが悪い、ミルクの量が少ない 練習を重ねることでタイミングを掴む。ミルクの量を増やす。

3. よくある疑問

Q1. 家庭でラテアートをするにはどんな道具が必要ですか?

A1. エスプレッソマシン、ミルクピッチャー、スチーマー付きエスプレッソマシン(またはミルクフォーマー)、計量スプーン、温度計があれば完璧ですが、最初はハンドドリップで抽出したコーヒーミルクフォーマーで泡立てたミルクを注いで練習するのも良いでしょう。

Q2. ミルクの種類によって仕上がりが変わりますか?

A2. はい、変わります。低脂肪乳はきめ細かい泡立ちが得られやすく、ラテアートに向いています。全脂乳は濃厚な仕上がりになりますが、泡立ちにくいため、より注意深いスチーマー操作が必要です。豆乳やオーツミルクなど植物性ミルクでも挑戦できますが、泡立ちや粘度が異なるため、調整が必要です。

Q3. ラテアートの練習方法は?

A3. まずはミルクのスチーマー操作に慣れることが重要です。様々なミルクの量や温度を試して、理想的なマイクロフォームを作る練習をしましょう。次に、ピッチャーの角度や高さ、注ぎ口の位置を変えながら、ミルクを注ぐ練習をします。最初はハートから始め、慣れてきたら、バラやチューリップなど、より複雑な模様に挑戦してみましょう。動画サイトなどを活用して、プロのラテアート動画を見ながら練習すると効果的です。

カテゴリー:コーヒー辞典